ある情報サービス企業様にて、「ワークショップ型会議力研修」を実施しました。主に30歳代のリーダークラス24名がご参加くださいました。ワークショップデザインの要素を、実務の会議でどのように活用するかという試みです。プログラムの概要は、ホームページの人材育成ページ「4−1 ワークショップデザイン入門研修」をご覧ください。http://workshop-design.com/hrd/

会議は組織をうつす鏡
「会議を効率化したい」「結論の出る会議にしたい」というニーズは以前からあります。また、「そもそも会議自体が無駄だ」という意見もあります。なので、これまでの会議のスタイルのままで効率や質の良い結論を得ようとすると、小手先のテクニックになってします。
私は「会議は組織をうつす鏡」だと思っています。会議と一口に言っても、実は会議のスタイルは企業によって千差万別です。つまり、会議はその組織の風土や習慣、価値観などのエッセンスが色濃く反映されます。たとえば、「部下から意見が出ない」会議をしている組織は、会議に限らず普段から部下は意見を言いません。「状況説明ばかりする」会議をしている組織は、普段も「結論を出さない」「先延ばしにする」「グレーゾーンが多い」「もたれあい」が横行している場合が多いです。会議のスタイルを根本から考え直すことは、実は組織の風土や意識の改革の一端と言えるのではないでしょうか。そのように考えると、実は会議が上手く言っていない問題を、単なる会議のテクニックで収めようとするのはとても短絡的な解決法だということです。それゆえ、この研修では、会議テクニックではなく、組織のリーダーがいかにメンバーの関係性をつくり、メンバーの想いを共有し、方向性やアイデアを出していくか、という組織デザインの視点から学んでいただきました。

本当は「ワークショップデザイン入門研修」や「ワークショップによる組織デザイン研修」などとしたいところですが、「ワークショップデザイン」という言葉自体が(屋号にも、拙書タイトルにも登場する言葉ですが)なかなか人材育成業界では浸透していないようです。今回はそれを乗り越え、研修として実施くださった企業様に感謝です。参加者からも面白いご意見やアイデアもいただきましたので、ぜひ次回は応用版を実施できればと思います。