ある地方銀行様にて計3回の企画力シリーズの初回研修を実施しました。こちらにお邪魔するのは今回で9回目です。現場で活躍する主任の方々(12名・30歳前後)が対象です。

意外と知らない自社の戦略
初回のテーマは「戦略的思考」なのですが、「そもそも戦略とは何ですか?」「自社や自部門の戦略を知っていますか?」と聞いてみると、なかなか明確な言葉が返ってきません。「理念は?」と聞くときちんとした言葉が返ってきます(これだけでも素晴らしいのですが)。自社の戦略が現場レベルに浸透していないという問題は、実は多くの組織共通の現象といえます。
自社の戦略を端的に表したものは「中期経営計画」です。ここには数年後のゴール(数値目標やあるべき姿)が示されているだけではなく、ゴールまでの道筋(戦略・方向性)が部門ごと、課題ごとに示されています。しかし、計画発表時に見ることはあっても、多忙な日常業務の中ではなかなか見る機会はありません。ややもすると、現場のメンバーにとって中期経営計画は「上の人たちが勝手に作ったもの」として意識外に置かれていたりします。どのように計画をつくるかという問題はまた別の機会に書くとして、せっかく経営者や経営企画部が時間と労力をかけて作った計画が絵に描いた餅で終わってしまうのはもったいないです。

今回の初回研修では、最初に自社の戦略を知る機会としてあらためて中期経営計画を確認いただきました。この部分は研修担当者から具体的な体験談とともに分かりやすく伝えていただいたので、その後に続く私の戦略的思考や論理的思考の導入パートへもスムーズに入ることができました。内部講師だから伝わること、外部講師だから伝わること、これらが上手く噛み合った体験をすることができました。
今回の参加者の皆様は、近い将来部下をもつ立場になる方々なので、自社の経営や戦略にも関心や意識を持ちながらこれからも現場で活躍してほしいと思います。次回、年明けに再会するのが楽しみです。