今回はH市役所様にて問題発見・解決研修1日間を2回実施いたしました。対象は30歳前後の現場リーダーの方々。合計50名の方に受講いただきました。
このテーマを引き受けたときに、この種の研修でありがちな「とりあえずこの手法を使ってフレームを埋めてみよう(やった気になる)」とはならないようにしたいと思いました。そこで、「そもそも〜」を合言葉にプログラムを組み立てました。つまり、「そもそも問題とは何か」という問題がここで問題になります。
「そもそも問題とは何か」という問題
職場を例にあげてみます。たとえば、オフィスにゴミが落ちているとします。でも、これを問題と思う人もいれば問題と思わない人もいます。ゴミが落ちていることを問題と思ってゴミを拾う人は、「ゴミが落ちていない状態(きれいな職場が良い)」というあるべき姿を持っているのでそうしたのです。ゴミが落ちていても全く問題に思わない人は、そもそも職場がきれいな方がよいという価値観が無い人でしょう。このような人は組織にはあまりいません。
他方、ゴミが落ちていることを問題と思っているがゴミを拾わず放置する人もいます。単に気づかなかったり、忙しかったりするのかもしれませんが、その背景にはもっと深いものがあるかもしれません。「なぜ私がゴミを拾わなければならないのか」「誰かがそのうち拾うだろう」「ゴミが落ちているのは◯◯さんが悪い」などと思っているとすれば、そこには、職場の人間関係や習慣、組織文化など根深い組織の問題が関わっています。この場合は、ゴミが落ちているという問題は、ゴミを拾ったら解決、という簡単なものではありません。ゴミが放置されている原因を深く掘り下げ、その組織が持つ根本的原因(真因)を見つける必要があります。単に表面化した問題を解決して終わるのではなく、真因を掘り下げ解決することが、現場のリーダーの方々の役割になります。
参加くださった皆様は、大変熱心に演習に取り組んでくださいました。思考する時間が多い1日だったと思います。現場リーダーとしての活躍を期待しています。