全4回にわたって戦略・組織・財務に関わる知識を確認し、知識の応用・活用をテーマに講座を行いました。今回はこの講座で扱う様々なポイントのうち、戦略に関して2点を紹介したいと思います。

戦略思考のフレームワークを使いこなす
フレームワークというと何が浮かぶでしょうか?例えば、SWOT分析、3C分析、PEST分析、VRIO分析・・・などなどでしょうか。第1ステップは、これらの分析がどういうものかを理解することです。教科書で学ぶだけではなく、ケーススタディなどで試しに一度やってみるとイメージが掴めてきます。
第2ステップは、これらの違いと弱点(カバーしていない点)を体系化することです。たとえば、3C分析を例に挙げます。3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の視点で外部環境を分析するものです。しかし、これだけでは何か考慮すべき視点が足りないと思いませんか?実は、3Cでは業界内の言わばミクロな外部環境を分析するものです。つまり、PEST分析のような政治や経済、法律、人口、などマクロな外部環境要素が入っていないフレームなのです。では、3C分析とSWOT分析は何か違うでしょうか・・・・などを参加者とやりとりしながら一緒に考えていきました。教科書的な学びではなく、双方向で問いを連ねていくとようやく本質的な理解につながってきます。
第3ステップは、本質的な理解をもとに、いざ実践です。まずは自社や自部署、自分自身を素材に自分ごとで取り組んでみましょう。

フレームワークは誰かが作った既存の枠にすぎない
ビジネススクールや中小企業診断士を指向する人は、戦略やフレームワークが好きな人も多いと思います。しかし、気をつけないといけないのは、フレームは過去に誰か(有名なコンサル会社や先生)が作った「既存の枠」ということです。残念ながら万能なものは1つもありません。状況によって使えなかったり、人によって好き好きがあったりします。フレームワークが好きな人はこの枠にはまりすぎないことが大切です。提案書にまとめるとキレイでカッコよく見える便利な道具であるがゆえに、使いたくなりますが、本当に役に立つことは「既存にない別の枠にしたときに見えてくる」場合もあります。既存の枠に囚われず、しっかり深く考えることから逃げてはいけません。

今回は戦略やフレームワークを一通り学んだことがある人向けなので、第2ステップを中心に組み立てました。マニアックと思った方もいるかもしれません。企業様の研修では、第1ステップから段階を踏んでゆっくり学んでいきます。参加された皆さんの中で、知識と知識のつながりや整理に少しでもつながれば幸いです。