日々、様々な職種で企画をされている主任の方々に、ロジカルシンキングをテーマに行いました。企画力向上という点については今後どこかでお話ししますが、今回はロジカルシンキングの前提となる考え方をお話しします。

思考と技術を区別していますか?
ロジカルシンキング研修というと、「KJ法とかSWOT分析とかやるんでしょ?」と思われがちです。もちろん代表的なフレームワークは外せないのでやります。でも、その前に踏まえておかないといけないことがあります。それは、KJ法もSWOT分析も「技術(道具)」であることです。道具なので万能ではありません。使い手によって向き不向きがありますし、使える場合と使えない場合もあります。まずどんな道具なのか知っておく必要があります。
たとえば、カナヅチは「釘を木に打つ道具」であり、「利き手で柄の部分を握って金属部分で釘を打って使うもの」だとみんな知っています。しかし、これだけではカナヅチで釘は打てません。釘と木材の本質をよく知らないと打てないのです。釘は真っ直ぐには入りにくく、木は木目や材質があります。なので、カナヅチで木に釘を打とうとすると、「釘を他方の手であてがいながら、最初は少し角度を斜めにして軽く打ちつつ、様子をみて段々と強くそして真っ直ぐに打っていく・・・」という具合です。
同じようなことがロジカルシンキングにも言えます。KJ法は意見やアイデアを発散さて収束させる道具ですが、「どう意見を出すか(どう付箋に書くか)」「どうまとめるか(分類の方法やカテゴリーの名前をどうするか)」など、実は深く思考する要所が隠れています。SWOT分析は内外と正負による2×2マトリックスですが、「どのように書き込むか(主体や時間はどうするか)」「どこに入るか(プラスかマイナスかどう判断するか)」など、こちらもベースとなる思考の方向が隠れています。これらを混同して説明してしまっているセミナーやビジネス書は意外と多いです。「誰でもすぐに使える」なんてことは決してありません。

ロジカルシンキングを学習する際は、考えるベースとなる「思考」と、思考をしながら使う「技術(道具)」を、しっかり分けて学ぶ必要があります。研修では、それを自分ごととして考えるワークやケースによって、真の理解を目指していただきました。