相手とよい対話をするにはどうしたらいいかをテーマに、少人数で考えやってみながらスキルを高める、という内容のセミナーを行いました。
対話にまつわるスキルはいくつかあります。たとえば、研修で有名なスキルは、コーチングとカンセリングです。両者を一言でいうと専門家にお叱りを受けそうですが、あえて言うならば、コーチングは前向きな悩みを持った人に対して可能性を引き出し後押しするスキルです。一方、カウンセリングは後向きな悩みを持った人に対して想いを吐き出してもらうスキルです。もっと極論すれば、コーチングはゼロをプラスにする、カンセリングはマイナスをゼロにするイメージです(さらにお叱りを受けそうですが)。共通点は、どちらも傾聴を通じてラポールを築き、相手(クライアント)がよりよい方向に進み出す支援をするものです。どちらが優れている訳でもなければ、支援するという目的に立てば両者を区別する必要はないと思います。そもそも、コーチもカウンセラーも実務の場面でクライアントがどんな状態にいるのか最初は全くわかりません。たとえば、コーチングを受けたいと来られたクライアントも、よくよく話を聞くとかなり根深い悩みから抜け出せていないことが分かってくれば、もはややる気を引き出している場合ではありません。コーチはひたすら傾聴してカンセリングをするのが本当のところです。その部分はコーチングの前段階と捉えているかもしれません。
企業研修の場合、コーチングとカウンセリングのどちらがいいかではなく、相手とよい対話をすることに注力する方が、上司と部下、営業と顧客の関係性をつくるのに効果的だと思います。