今回は7月の「企画力向上のためのロジカルシンキング研修」のシリーズ企画として、地方銀行様の主任クラスを対象にリーダーシップについて研修を行いました。今回も参加者は約15名です。

リーダーシップの本質
リーダーシップとは何でしょうか?ありふれた言葉で、数々の文献や理論があるにもかかわらず、意外と説明しにくいのではないでしょうか。参加者に聞くと、「率先垂範」や「みんなを引っ張る」という言葉が出てきました。これはリーダーシップでしょうか?ポイントはリーダーシップというのは自分だけでは成立しません。相手がいます。相手に対して働きかける力です。しかも、一部のカリスマ的なリーダーだけが持っている能力ではなく、誰しも持っている力だと考えられています。でも、潜在的に持っているだけではだめで、発揮して初めて意味をもつ力です。つまり、「相手に働きかけるために発揮する力」だということです。
先ほどの「率先垂範」の辞書的意味は「人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと」です。では模範を示すだけでリーダーシップでしょうか?そうではありません。模範を示した結果ほかの人に物事をやってもらうことが真の目的です。また、常にリーダーが模範を示そうとする姿勢は立派だと思いますが、正直しんどいです。別にメンバーや部下が模範を示してもいいはずです。
世の中には「◯◯リーダーシップ」という言葉がいっぱいあります。その時々の時代背景と特性・行動・状況とを関連させて的を射たネーミングがされています。でも実は「相手にやってもらうこと」が前提にある点だけは共通しています。そう考えると、リーダーシップという言葉がとても身近になりませんか?リーダーシップの本や理論をみるときも、「相手にやってもらうために、この理論はどうしろと言ってるんだろう?」という問いを持って読めば、とても理解しやすくなると思います。

今回の研修では、こんなことを参加者のみなさんと問答しながら進めました。結果としてリーダーシップを身近に感じ、もっと学んでみようとか、自分らしいリーダーシップとは何かとかを考えてもらえるとこの研修の成功だと思います。