京都大学サマーデザインスクール(SDS)は、京大デザイン学の一大イベントです。私も2012年から4年連続で実施者として参加しております。今年は、「差の湯〜お茶室で語る科学」をテーマに実施しました。実施者は3名、参加学生は5名です。
「差の湯」とは、お茶会形式で科学者と市民が自分たちの違いを語り合う、科学コミュニケーションをプロデュースするワークショップです。お茶会は、全ての人が平等に楽しめるようにデザインされた日本伝統のコミュニケーションの場です。本ワークショップでは、その形式を活用し、お茶とお菓子、そしてしつらえなどを、対話のテーマである科学に合わせてデザインし、その空間で科学者と市民が語り合うことによって、科学者が一方的に知識を市民に披露する形ではない科学コミュニケーションを実現させることを目的としています。
参加した学生には、実際にお茶菓子やしつらえなどを科学者の伝えたい内容を元に用意し、その道具を用いて科学者がどのように対話を展開するのか、そしてその道具によって市民側の発話はどう変化するのかを、お茶会場面の録画を振りかえることによって学んでもらいました。最終日のポスター発表も素晴らしかったですし、全員が茶道経験者だったので我々実施者も大変助けられました。
実施者としては、茶室の準備、参加学生の募集、語り手の科学者探し、市民の募集、など結構な手間のかかるイベントでした。次回開催する際は何かしらフォーマットが必要です。差の湯は科学コミュニケーションを専門とするO先生の研究テーマなので引き続き発展させたいと思います。